令和5年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問23
【問題23】
技術経営における課題のうち,“死の谷”の説明として,適切なものはどれか。
コモディティ化が進んでいる分野で製品を開発しても,他社との差別化ができず価格競争に陥り,利益の獲得が難しいこと。
新製品が市場に浸透していく過程において,実用性を重んじる顧客が受け入れず,より大きな市場を形成できないこと。
先進的な製品開発に成功しても,事業化するためには更なる困難があること。
プロジェクトのマネジメントが適切に行われないことによって,プロジェクトの現場に生じた過大な負担がメンバーを過酷な状態に追い込み,失敗に向かってしまうこと。
【解説】
ア: コモディティ化が進んでいる分野で製品を開発しても,他社との差別化ができず価格競争に陥り,利益の獲得が難しいこと。
誤り。これは「コモディティ化」の問題であり、「死の谷」とは異なります。
イ: 新製品が市場に浸透していく過程において,実用性を重んじる顧客が受け入れず,より大きな市場を形成できないこと。
誤り。これは「キャズム」の課題に該当し、「死の谷」とは異なります。
ウ: 先進的な製品開発に成功しても,事業化するためには更なる困難があること。
正しい。「死の谷(Valley of Death)」とは、研究開発と事業化の間に存在する課題を指します。新技術や製品の開発が成功しても、事業化に向けた資金調達や市場開拓の壁を乗り越えるのが困難な状況を表します。
エ: プロジェクトのマネジメントが適切に行われないことによって,プロジェクトの現場に生じた過大な負担がメンバーを過酷な状態に追い込み,失敗に向かってしまうこと。
誤り。これはプロジェクトマネジメントの問題であり、「死の谷」とは異なります。
【答え】
ウ: 先進的な製品開発に成功しても,事業化するためには更なる困難があること。
出典:令和5年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問23