平成30年度春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問15
2025年7月17日
【問題15】
プログラムと定数をROMから読み出すために、アドレスバスとチップセレクト信号(CS)を図のように接続した。アドレスバスはA0がLSBである。このROMにアクセスできるメモリアドレスの範囲はどれか。ここで、解答群の数値は16進数で表記してある。
【解説】
1. 回路の解析
CS(チップセレクト)の条件: 回路図を見ると、A15とA14が NORゲート を通ってCSを制御しています。
NORゲートの特性:
- A15またはA14のどちらかが1の場合、ORゲートの出力は1 → NOTで0となり、CSは0(アクティブ)になります。
- A15とA14の両方が0の場合のみ、OR出力が0 → NOTで1となり、CSは1(非アクティブ)になります。
2. アドレス条件の整理
CSがアクティブ(=0)になるのは、A15 = 1 または A14 = 1 のとき。
よって、A15 または A14 が1であればROMが選択されるという構成です。
アドレスバスはA15がMSBでA0がLSBの16ビット構成。
上位ビット(A15,A14)が 00(= A15=0, A14=0)のときのみ、CSは 1(非アクティブ)。
したがって、ROMが選択される範囲は A14 または A15 が1 となる範囲、すなわち:
4000 ~ FFFF
3. 選択肢の検証
- ア: 0000 ~ 1FFF
A15 = 0, A14 = 0 に含まれる → CS = 1(非アクティブ) → 不正解
- イ: 4000 ~ 7FFF
A14 = 1 を含む → CS = 0(アクティブ) → ROMが選択される → 部分的に正しいが不十分
- ウ: 4000 ~ FFFF
A14 または A15 が 1 → CS = 0(アクティブ) → ROMが選択される範囲を完全にカバー → 正解
- エ: C000 ~ FFFF
A15 = 1 を含む → CS = 0(アクティブ) → 正しいが一部のみ → 不正解
出典:平成30年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問15