平成24年度春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問15
【問題15】
スイッチのチャタリングを除去する方法のうち,スイッチの変化を最も遅延が少なく読み込めるのはどれか。
CR積分回路でスイッチ信号を受け,シュミットトリガ回路で整形する。
スイッチが接続された入力ポートの値を2回読み込んで判定する。
【解説】
チャタリングとは?
スイッチを押したり離したりする際に、接点が短時間で何度も接触と非接触を繰り返す現象を指します。このため、本来は1回のオン・オフ信号が複数回の信号に見えることがあります。チャタリングを除去することは、正確な信号の検出において重要です。
ア: CR積分回路でスイッチ信号を受け,シュミットトリガ回路で整形する。
誤り。CR積分回路とシュミットトリガ回路はアナログ的な方法でチャタリングを除去しますが、回路の特性上若干の遅延が発生します。そのため、最も遅延が少ない方法とは言えません。
イ: RSフリップフロップでスイッチ信号を受ける。
正しい。RSフリップフロップは信号の安定性を高め、チャタリングを効率的に除去できます。また、遅延が非常に少ないため、この選択肢が最適です。
ウ: スイッチが接続された入力ポートの値を2回読み込んで判定する。
誤り。2回の読み取りではチャタリングを十分に除去できず、さらに処理に伴う遅延が発生する可能性があります。
エ: ディジタルフィルタで振動成分だけを除去する。
誤り。デジタルフィルタはソフトウェア的にチャタリングを除去できますが、高度な処理が必要なため、遅延が発生する場合があります。
【答え】
イ: RSフリップフロップでスイッチ信号を受ける。
出典:平成24年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問15