平成25年度春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問15
【問題15】
TTLレベルの2入力AND回路を3入力AND回路にするために入力部に回路を追加した。3入力AND回路として、適切なものはどれか。
【解説】
TTL(Transistor-Transistor Logic)回路において、2入力ANDゲートを3入力ANDゲートとして機能させるためには、追加の回路を適切に設計する必要があります。以下に各選択肢の構成とその適否を検討します。
ア: 2つの入力を持つANDゲートの一方の入力に、2つの信号をダイオードを介して接続し、もう一方の入力に別の信号を直接接続。
誤り。ダイオードを用いた論理合成は、DCTL(Diode-Coupled Transistor Logic)と呼ばれる手法であり、TTL回路では一般的ではありません。さらに、ダイオードの順方向電圧降下により、論理レベルが適切に維持されない可能性があります。したがって、この構成は適切ではありません。
イ: 3つの入力信号をそれぞれダイオードを介してANDゲートの入力に接続し、プルダウン抵抗を使用。
誤り。この構成もダイオードを用いた論理合成を行っていますが、プルダウン抵抗の値やダイオードの特性により、TTLの論理レベルが適切に維持されない可能性があります。TTL回路では、ダイオードを用いた手法は推奨されません。
ウ: 2つの2入力ANDゲートを直列に接続し、3つの入力信号を適切に配置。
正しい。この構成は、2つの2入力ANDゲートを組み合わせて3入力ANDゲートを実現しています。TTL回路において、ゲートを直列に接続することで入力数を増やす手法は一般的であり、論理レベルも適切に維持されます。したがって、この構成は適切です。
エ: 3つの入力信号をそれぞれダイオードを介してANDゲートの入力に接続し、プルアップ抵抗を使用。
誤り。ダイオードとプルアップ抵抗を組み合わせた構成ですが、ダイオードの順方向電圧降下やプルアップ抵抗の値により、論理レベルが適切に維持されない可能性があります。TTL回路では、プルアップ抵抗を用いる手法は一般的ではなく、適切ではありません。
【答え】
ウ: 2つの2入力ANDゲートを直列に接続し、3つの入力信号を適切に配置。
出典:平成25年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問15