平成26年度春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問2
【問題2】
外部記憶をもたない組込みシステムにおけるMMU(Memory Management Unit)の活用法として,適切なものはどれか。
CPUを介さずにメモリ間データ転送を行うことによって,処理速度を向上させる。
仮想アドレスで主記憶を管理することによって,実装されている物理メモリの容量を超えるメモリ割当てを要求されてもプログラムの動作を継続させる。
入出力レジスタの値をキャッシュすることによって,ハードウェアアクセスを高速化する。
プログラムのメモリ領域へのアクセス権限を設定することによって,不正なメモリアクセスを防止する。
【解説】
ア: CPUを介さずにメモリ間データ転送を行うことによって,処理速度を向上させる。
誤り。これはDMA(Direct Memory Access)に関連する内容であり,MMUの役割ではありません。
イ: 仮想アドレスで主記憶を管理することによって,実装されている物理メモリの容量を超えるメモリ割当てを要求されてもプログラムの動作を継続させる。
誤り。仮想アドレス空間の管理はMMUの役割の一つですが,外部記憶を持たない組込みシステムでは仮想アドレスを活用することは一般的ではありません。
ウ: 入出力レジスタの値をキャッシュすることによって,ハードウェアアクセスを高速化する。
誤り。これはキャッシュメモリの役割であり,MMUの機能とは異なります。
エ: プログラムのメモリ領域へのアクセス権限を設定することによって,不正なメモリアクセスを防止する。
正しい。MMUはアクセス権限を管理する機能を持ち,不正なメモリアクセスを防ぐ目的で活用されます。組込みシステムでも重要な役割を果たします。
【答え】
エ: プログラムのメモリ領域へのアクセス権限を設定することによって,不正なメモリアクセスを防止する。
出典:平成26年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問2