平成31年度春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問25
【問題25】
A社は,保有する特許の専用実施権を,組込み機器システムを開発して販売するB社に許諾した。A社又はB社が受ける制限に関する説明のうち,適切なものはどれか。ここで,B社の専用実施権は特許原簿に設定登録されるものとする。
A社は,許諾した権利の範囲において当該特許を使用できなくなる。
A社は,B社に許諾したものと同じ範囲でしか,B社以外には専用実施権を許諾することができない。
B社は,A社と競合する自社の組込み機器システムの販売を止めなくてはならない。
B社は,A社の特許を使うB社の組込み機器システムの独占販売権を,A社に対し与えなくてはならない。
【解説】
ア: A社は,許諾した権利の範囲において当該特許を使用できなくなる。
正しい。専用実施権を設定すると,特許権者(A社)はその範囲内で特許を使用する権利を失います。専用実施権者(B社)が独占的に特許を実施できるようになるためです。
イ: A社は,B社に許諾したものと同じ範囲でしか,B社以外には専用実施権を許諾することができない。
誤り。専用実施権を許諾した範囲については,B社が独占的に権利を持つため,A社は他の第三者に許諾することはできません。
ウ: B社は,A社と競合する自社の組込み機器システムの販売を止めなくてはならない。
誤り。専用実施権の設定は,特許技術を使用する権利に関するものであり,競合製品の販売を制限するものではありません。
エ: B社は,A社の特許を使うB社の組込み機器システムの独占販売権を,A社に対し与えなくてはならない。
誤り。専用実施権の設定は特許の使用に関するものであり,販売権や独占販売権についての規定は含まれません。
【答え】
ア: A社は,許諾した権利の範囲において当該特許を使用できなくなる。
出典:平成31年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問25