令和3年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問14
【問題14】
組込みシステムに適用される CPU の低消費電力化技術に関する説明として,適切なものはどれか。
トランジスタのしきい値電圧を低くすることによって,回路の動作は遅くなるがリーク電流が抑えられるので,低消費電力になる。
トランジスタの消費電力は電源電圧の 2 乗に反比例するので,電圧を高くすることによって低消費電力になる。
パワーゲーティングを用いることによって,ダイナミックな消費電力は少なくなるが,リーク電流に起因する消費電力は抑えることができない。
レジスタに供給するクロックがダイナミックな消費電力を増加させる要因の一つなので,不要なブロックへのクロックの供給を止めることによって低消費電力になる。
【解説】
ア: トランジスタのしきい値電圧を低くすることによって,回路の動作は遅くなるがリーク電流が抑えられるので,低消費電力になる。
誤り。しきい値電圧を低くするとリーク電流が増加し、結果的に消費電力が増える可能性があります。
イ: トランジスタの消費電力は電源電圧の 2 乗に反比例するので,電圧を高くすることによって低消費電力になる。
誤り。消費電力は電源電圧の 2 乗に比例するため、電圧を高くすると消費電力は増加します。
ウ: パワーゲーティングを用いることによって,ダイナミックな消費電力は少なくなるが,リーク電流に起因する消費電力は抑えることができない。
誤り。パワーゲーティングは、未使用回路の電力供給を切断することでリーク電流も抑えることができます。
エ: レジスタに供給するクロックがダイナミックな消費電力を増加させる要因の一つなので,不要なブロックへのクロックの供給を止めることによって低消費電力になる。
正しい。クロックゲーティングを用いることで、不要なブロックへのクロック供給を停止し、ダイナミック消費電力を削減できます。
【答え】
エ: レジスタに供給するクロックがダイナミックな消費電力を増加させる要因の一つなので,不要なブロックへのクロックの供給を止めることによって低消費電力になる。
出典:令和3年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問14