令和2年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問15
【問題15】
サイドチャネル攻撃に該当するものはどれか。
暗号アルゴリズムを実装した攻撃対象の物理デバイスから得られる物理量(処理時間や消費電力など)やエラーメッセージから,攻撃対象の秘密情報を得る。
企業などの秘密情報を窃取するソーシャルエンジニアリングの手法の一つであり,不用意に捨てられた秘密情報の印刷物をオフィスの紙ごみの中から探し出す。
通信を行う2者間に割り込んで,両者が交換する情報を自分のものとすり替えることによって,その後の通信を気付かれることなく盗聴する。
データベースを利用するWebサイトに入力パラメタとしてSQL文の断片を送信することによって,データベースを改ざんする。
【解説】
ア: 暗号アルゴリズムを実装した攻撃対象の物理デバイスから得られる物理量(処理時間や消費電力など)やエラーメッセージから,攻撃対象の秘密情報を得る。
正しい。サイドチャネル攻撃は、暗号システムの理論的な脆弱性を突くのではなく、消費電力、電磁波、処理時間、エラーメッセージなどの物理的な情報を利用して秘密情報を盗み出す攻撃手法です。
イ: 企業などの秘密情報を窃取するソーシャルエンジニアリングの手法の一つであり,不用意に捨てられた秘密情報の印刷物をオフィスの紙ごみの中から探し出す。
誤り。これはソーシャルエンジニアリング(ゴミ漁り)による情報収集であり、サイドチャネル攻撃とは異なります。
ウ: 通信を行う2者間に割り込んで,両者が交換する情報を自分のものとすり替えることによって,その後の通信を気付かれることなく盗聴する。
誤り。これは中間者攻撃(Man-in-the-Middle攻撃)であり、サイドチャネル攻撃ではありません。
エ: データベースを利用するWebサイトに入力パラメタとしてSQL文の断片を送信することによって,データベースを改ざんする。
誤り。これはSQLインジェクション攻撃であり、サイドチャネル攻撃とは関係ありません。
【答え】
ア: 暗号アルゴリズムを実装した攻撃対象の物理デバイスから得られる物理量(処理時間や消費電力など)やエラーメッセージから,攻撃対象の秘密情報を得る。
出典:令和2年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問15