平成30年度春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問5
【問題5】
コンピュータと周辺装置とのデータ転送方式に関する記述として,適切なものはどれか。
SATA,PCI Express,USBのシリアル転送方式では,高速なデータ転送のために,データ線とは独立した専用のクロック信号線を使用している。
高速パラレル転送方式では,8b/10bエンコーディングなどの符号化方式によるエンベデッドクロックを採用している。
シリアル転送方式では,データは必ずLSB側から1ビットずつ順番に転送される。
パラレル転送方式では,転送クロックを高速化すると,データの各ビット間での信号到達タイミングの整合を取ることが困難になる。
【解説】
ア: SATA,PCI Express,USBのシリアル転送方式では,高速なデータ転送のために,データ線とは独立した専用のクロック信号線を使用している。
誤り。これらのシリアル転送方式では,クロック信号はデータ信号に埋め込まれており,独立したクロック信号線は使用されません。
イ: 高速パラレル転送方式では,8b/10bエンコーディングなどの符号化方式によるエンベデッドクロックを採用している。
誤り。8b/10bエンコーディングとエンベデッドクロックは主にシリアル転送方式で使用されます。
ウ: シリアル転送方式では,データは必ずLSB側から1ビットずつ順番に転送される。
誤り。シリアル転送方式では,データの転送順序はプロトコルによって異なりますが,必ずLSB側からとは限りません。
エ: パラレル転送方式では,転送クロックを高速化すると,データの各ビット間での信号到達タイミングの整合を取ることが困難になる。
正しい。パラレル転送方式では,高速化すると信号のスキュー(タイミングのズレ)が問題となり,ビット間での整合性が取りにくくなります。
【答え】
エ: パラレル転送方式では,転送クロックを高速化すると,データの各ビット間での信号到達タイミングの整合を取ることが困難になる。
出典:平成30年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問5