平成28年度春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問5
【問題5】
コンピュータと周辺装置とのデータ転送方式に関して,適切な記述はどれか。
SATA,PCI Express,USB のシリアル転送方式では,高速なデータ転送のために,データ線とは独立した専用のクロック信号線を使用している。
高速パラレル転送方式では,8b/10b エンコーディングなどの符号化方式によるエンベデッドクロックを採用している。
シリアル転送方式では,データは必ず LSB 側から 1 ビットずつ順番に転送される。
パラレル転送方式では,転送クロックを高速化すると,データの各ビット間での信号到達タイミングの整合を取ることが困難になる。
【解説】
ア: SATA,PCI Express,USB のシリアル転送方式では,高速なデータ転送のために,データ線とは独立した専用のクロック信号線を使用している。
誤り。これらのシリアル転送方式では、クロック信号はデータ信号に埋め込まれており、独立したクロック信号線は使用されません。
イ: 高速パラレル転送方式では,8b/10b エンコーディングなどの符号化方式によるエンベデッドクロックを採用している。
誤り。8b/10b エンコーディングによるエンベデッドクロックはシリアル転送方式(例:PCI Express)で使用されるもので、高速パラレル転送方式には該当しません。
ウ: シリアル転送方式では,データは必ず LSB 側から 1 ビットずつ順番に転送される。
誤り。シリアル転送方式では転送の順序は規格に依存し、必ずしも LSB 側から始まるわけではありません。
エ: パラレル転送方式では,転送クロックを高速化すると,データの各ビット間での信号到達タイミングの整合を取ることが困難になる。
正しい。高速パラレル転送では、信号線の物理的な長さやタイミングの差異が問題となり、信号の整合性を維持するのが困難になります。
【答え】
エ: パラレル転送方式では,転送クロックを高速化すると,データの各ビット間での信号到達タイミングの整合を取ることが困難になる。
出典:平成28年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問5