平成27年度春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問9
【問題9】
多重割込みを処理するリアルタイムOSの割込みハンドラの説明として,適切なものはどれか。
処理の中断を極力避けるために,先頭で一時的に割込みを可能にした後は割込み禁止状態で処理を行う。
先頭でタイマを設定し,一定期間は割込み禁止状態にして処理を行う。
タスクで行う処理を少なくするために,割込みに起因する多くの処理は割込み可能状態にしたまま,割込みハンドラの中で行う。
割込み禁止状態での処理を極力減らして,割込み可能状態で動作する。
【解説】
ア: 処理の中断を極力避けるために,先頭で一時的に割込みを可能にした後は割込み禁止状態で処理を行う。
誤り。割込み処理の中で割込み禁止状態を長く続けると,システム全体のレスポンスが低下する可能性があります。
イ: 先頭でタイマを設定し,一定期間は割込み禁止状態にして処理を行う。
誤り。タイマ設定は割込み処理とは直接関係がなく,割込みハンドラの設計として適切ではありません。
ウ: タスクで行う処理を少なくするために,割込みに起因する多くの処理は割込み可能状態にしたまま,割込みハンドラの中で行う。
誤り。割込みハンドラ内で多くの処理を行うと,後続の割込み処理が遅延する可能性があるため,適切ではありません。
エ: 割込み禁止状態での処理を極力減らして,割込み可能状態で動作する。
正しい。割込み禁止状態を最小限に抑え,必要な処理を効率よく行うことで,多重割込みへの対応が可能となり,リアルタイム性を維持できます。
【答え】
エ: 割込み禁止状態での処理を極力減らして,割込み可能状態で動作する。
出典:平成27年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問9