平成25年度春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問5
【問題5】
多重にハードウェア割込みが発生する組込みシステムにおける ISR(Interrupt Service Routine)の処理の説明のうち,適切なものはどれか。
ISR 処理時間が長い順に高い割込み優先度を与えると,システム全体のリアルタイム応答性が向上する。
ISR 処理中に,他の割込み要求を抑止する場合は,セマフォを用いる。
最大割込み処理時間は,全ての ISR 処理時間の合計であり,最も優先度の高い割込みが発生してから,その ISR 処理の完了までの時間に相当する。
低い優先度の割込みによる ISR 処理中に割込み禁止を行うと,その間に発生した高い優先度の割込みに対する ISR 応答時間は長くなる。
【解説】
ア: ISR 処理時間が長い順に高い割込み優先度を与えると,システム全体のリアルタイム応答性が向上する。
誤り。ISR 処理時間が長い順に優先度を高くすると,低い優先度の割込みが遅延し,全体のリアルタイム応答性が悪化します。
イ: ISR 処理中に,他の割込み要求を抑止する場合は,セマフォを用いる。
誤り。割込みの抑止はセマフォではなく,割込みマスクや割込みフラグの制御で行われます。
ウ: 最大割込み処理時間は,全ての ISR 処理時間の合計であり,最も優先度の高い割込みが発生してから,その ISR 処理の完了までの時間に相当する。
誤り。最大割込み処理時間は,ISR 処理時間の合計ではなく,優先度の高い割込みが処理されるまでの遅延時間が影響します。
エ: 低い優先度の割込みによる ISR 処理中に割込み禁止を行うと,その間に発生した高い優先度の割込みに対する ISR 応答時間は長くなる。
正しい。割込み禁止を行うと,高優先度の割込み要求も処理されず,その分応答時間が長くなります。
【答え】
エ: 低い優先度の割込みによる ISR 処理中に割込み禁止を行うと,その間に発生した高い優先度の割込みに対する ISR 応答時間は長くなる。
出典:平成25年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問5