平成23年度春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問22
【問題22】
マイコンの JTAG を利用したデバッガの説明として、適切なものはどれか。
RAM を疑似的に ROM に見立ててプログラムをロードし、モニタプログラムが MPU に割込みをかけながらプログラムのデバッグを行う。
実機のマイコンを取り外し、マイコンのソケット部に当該マイコンをエミュレーションするプロセッサ及びソフトウェアが搭載された ICE を装着して、デバッグを行う。
ターゲット ROM に、デバッグ対象プログラムを制御するプログラムを常駐させておき、PC と通信しながら、デバッグを行う。
マイコン自身にデバッグに必要となる機能が内蔵されており、それを外部から制御するための端子がある。この端子を利用してデバッグを行う。
【解説】
JTAG (Joint Test Action Group)
JTAG はマイコンのデバッグ機能を提供する標準的なインタフェースであり、ソフトウェアを実行中のまま内部のレジスタやメモリを直接制御・観察することが可能です。この特徴をもとに各選択肢を評価します。
ア: RAM を疑似的に ROM に見立ててプログラムをロードし、モニタプログラムが MPU に割込みをかけながらプログラムのデバッグを行う。
誤り。これはモニタプログラムを用いたデバッグ手法を説明しており、JTAG の直接的な利用方法ではありません。
イ: 実機のマイコンを取り外し、マイコンのソケット部に当該マイコンをエミュレーションするプロセッサ及びソフトウェアが搭載された ICE を装着して、デバッグを行う。
誤り。これは ICE (In-Circuit Emulator) によるデバッグの説明であり、JTAG とは異なります。
ウ: ターゲット ROM に、デバッグ対象プログラムを制御するプログラムを常駐させておき、PC と通信しながら、デバッグを行う。
誤り。ターゲットにプログラムを常駐させる手法は、一般的なエミュレータやデバッガの動作ですが、JTAG 特有の機能ではありません。
エ: マイコン自身にデバッグに必要となる機能が内蔵されており、それを外部から制御するための端子がある。この端子を利用してデバッグを行う。
正しい。JTAG はマイコンに内蔵されたデバッグ機能を活用し、外部端子を通じてデバッグを行うため、この説明が適切です。
【答え】
エ: マイコン自身にデバッグに必要となる機能が内蔵されており、それを外部から制御するための端子がある。この端子を利用してデバッグを行う。
出典:平成23年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問22