平成22年度春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問3
【問題3】
DMAの説明として,適切なものはどれか。
CPUが磁気ディスクと主記憶とのデータの受渡しを行う転送方式である。
主記憶の入出力専用アドレス空間に入出力装置のレジスタを割り当てる方式である。
専用の制御回路が入出力装置や主記憶などの間のデータ転送を行う方式である。
複数の命令の実行ステージを部分的にオーバラップさせて同時に処理し,全体としての処理時間を短くする方式である。
【解説】
DMA(Direct Memory Access:ダイレクト・メモリ・アクセス)は、CPUを介さずに専用の制御回路(DMAコントローラ)を用いて、主記憶と入出力装置の間でデータ転送を行う方式です。以下は各選択肢の説明です:
ア: CPUが磁気ディスクと主記憶とのデータの受渡しを行う転送方式である。
誤り。これはCPUが介在する従来の転送方式の説明であり、DMAの特徴ではありません。
イ: 主記憶の入出力専用アドレス空間に入出力装置のレジスタを割り当てる方式である。
誤り。これはメモリマップドI/Oの説明に近いもので、DMAの説明ではありません。
ウ: 専用の制御回路が入出力装置や主記憶などの間のデータ転送を行う方式である。
正しい。DMAでは、CPUの負荷を軽減しながら高速なデータ転送を可能にするため、専用の制御回路がデータ転送を直接管理します。
エ: 複数の命令の実行ステージを部分的にオーバラップさせて同時に処理し,全体としての処理時間を短くする方式である。
誤り。これはパイプライン処理の説明であり、DMAの説明ではありません。
【答え】
ウ: 専用の制御回路が入出力装置や主記憶などの間のデータ転送を行う方式である。
出典:平成22年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問3